ある日――…


仕事が終わった俺は、同僚の養護教諭の岩瀬 美咲（いわせ みさき）と居酒屋で待ち合わせをしていた。

俺は、大学を卒業した後、自分が通っていた男子校で教えていた。

そして、４年前に姉妹校である今の学校に赴任した。

そこで偶然、同じ大学で仲が良かった美咲と再会。

それから、こうやって飲みに行き、グチを言ったり、相談し合ったりしている。


「よっ！ヘンタイ教師!!」


耳元で囁かれた瞬間、俺は振り返る。


「おまっ……」

「あははっ！ごめん、お待たせー」


美咲は「ごめん」と言いながら、何の悪びれもなく俺の前の席に座る。

とりあえず注文をし、ビールで乾杯をする。