ある日の放課後――…


「どうした?」

「ん?何が?」

「眉間のシワ」


私の前に座っていた永井先生は、指で私のおでこをつんっと押す。


「……もうすぐ、テストだなぁって思って」


私は「ははっ」と笑いながら言う。

本当の事なんて言えない。

だって、聞くのが怖いから。

それに、もし聞いちゃった……

私はもう、ここへ来られなくなるかもしれない。

そんなのはイヤだ。


「そういえば、もう少しでテスト週間に入るな。未来、ちゃんと勉強しろよ」


永井先生は笑顔で私の頭をくしゃくしゃってする。


永井先生の笑った顔が見れたり、こうやって触れられる事は嬉しい。

でも、もう少しでテスト週間。

授業では会えるけど、こんな風に二人きりで会えなくなる事が、とても寂しく思う。


もっと一緒に居たい。

そうすれば、こんな不安も無くなるかもしれない。