季節も変わり――…


私達は3年になる。

そして、今までと何も変わらず、私は放課後、ほぼ毎日理科準備室へ行っていた。

勉強を教えて貰ったり、永井先生の手伝いをしたり。


渚以外の友達も私が理科準備室に通っている事を知っている。

その理由、勉強を見て貰っている事も。

無表情で、人気のない永井先生。

だから、みんな


「気まずくない?大丈夫?」


なんて言っている。

そんな風に思われているから、まさか私が永井先生の事好きだなんて、渚以外の友達は誰も気付いていない。


渚は親友。

例え気持ちを伝えた事を話しても、黙っていてくれる事はわかっている。

だから、渚には気持ちを伝えた事を言おうと思った。

でも、どこから話が漏れるかわからない。

誰かにバレたら、もう理科準備室には行けなくなる。

永井先生と会えない。

そう思うと、渚にも話せなかった。