「あぁ、それね……。大学の女友達はみんな俺の事“諒ちゃん”って呼んでるよ?俺としてはもう“ちゃん”付けで呼ぶのは止めて欲しいけど」


そう言いながら、永井先生は私の頭を撫でる。


「みんな呼んでるんだ……」


私はますます嫌な気持ちになる。

永井先生の方に顔を向けていないから、私の表情は気付かれないと思っていたけど


「未来?」

「……何?」

「……もしかして妬いてる?」

「えっ!?……ご、ごめんなさい」


こんな事でヤキモチを妬くなんて……

そりゃ、永井先生からしたら、私なんて子供だけど。

面倒くさいって思われるかもしれない。

嫌われるかもしれない。

だけど、やっぱり永井先生に嫌われるのだけは、嫌だ。