夏休みに入って、約2週間が経つ。

私は、その会えない2週間がすごく長く感じていた。

永井先生も、同じ気持ちでいてくれたのかな?

そう思うと嬉しくなり、自然と頬が緩む。


「なぁ……、未来。今日、勉強はいいのか?」


二人きりの時も、言う事はやっぱり“先生”。

だけど


「せっかく永井先生に会えたから……。今日くらいは勉強なしで、ゆっくりしたい……。ダメかな?」


私は受験生。

夏休み前の試験は悪かったけど、元々、そこまで成績は悪くない。

それに、永井先生とゆっくり過ごしたかったから、今日の為に勉強も頑張っていた。

私は受験生なんだし、こんな時間があるなら勉強しろと言われるかもしれない。

だけど、今日くらいはいいでしょ?


「本当は『勉強しろ』って言わなきゃいけないんだけど……。今日はいいよな」


永井先生は抱きしめる腕の力を強める。