*
「藤田く…あれ?どこ行ったのかな?」
藤田先輩が欠席していた日のことだった。
宮下先輩が探しているのを見て、今日は休みらしいですよ。と教えた。
「あ…そうなんだ。教えてくれてありがと、安藤くん。」
単純だって思われるかもしれないけど、そう言ってにっこり笑った先輩の表情に、心臓の辺りがぎゅってして…。
もちろん、自分が片想いなのは知ってたけど。
それでも、良かったから。
「なー朱莉ー。」
「なぁにー?」
そう思っていても、2人の会話を聞いてるのは正直辛かった。
なのに、どんどん先輩のことを好きになってる自分がいて、少し罪悪感を感じていた。