「藤田く…あれ?どこ行ったのかな?」


藤田先輩が欠席していた日のことだった。

宮下先輩が探しているのを見て、今日は休みらしいですよ。と教えた。



「あ…そうなんだ。教えてくれてありがと、安藤くん。」


単純だって思われるかもしれないけど、そう言ってにっこり笑った先輩の表情に、心臓の辺りがぎゅってして…。


もちろん、自分が片想いなのは知ってたけど。

それでも、良かったから。



「なー朱莉ー。」

「なぁにー?」


そう思っていても、2人の会話を聞いてるのは正直辛かった。

なのに、どんどん先輩のことを好きになってる自分がいて、少し罪悪感を感じていた。