「藤田くん!!」

「なんだー?宮下。」

「ここって…」


体育委員で集まった時、宮下先輩は藤田先輩に、よく話しかけていた。

2人は隣のクラスらしいから、席が近かった。


俺はそれを見て、いつも少なからず嫉妬していたと思う。

その気持ちに気付いたのは、もっとあとだったけど。



ある日、委員会に行こうと思って、いつも使ってる教室のドアに手を掛けると、話し声が聞こえた。

ちょっと覗くと、宮下先輩と、他のクラスの体育委員の人がいた。


「朱莉ー。今度どこ行く?」

「どこでもいーよー」


宮下先輩の話し方と、話の内容が、2人がどう言う関係なのかを物語っていた。

盗み聞きはいけないと思ったけど、俺はその場から動けなかった。