What?

宮下いるから?


はい?と俺が聞き返すと、先輩は「知らなかったの?」とでも言いたげな顔をしていた。




「せ…んぱぃ」

「どーした吏渡。」

「俺やっぱり無理です。」

「そんな言葉、俺の辞書に載ってない。」


藤田先輩の高校の校門の前で、俺は溜息をついた。


先輩から衝撃の事実を聞いたのが昨日のこと。

先輩、行動早すぎ。


俺がまだ、ぐじぐじ言っていると、先輩は寄りかかっていた門から背中を離した。


「じゃあ、俺行くわ。」

「何言ってんですか!?一緒にいてくれるんじゃ…」


先輩の口から出た言葉にびっくりすると、本人はさらっと言った。