先輩は、そっか…と一瞬さみしそうな顔をすると、いつもの笑顔に戻った。
「俺、一生懸命吏渡のこと探したのに、見つかんないから焦ったー」
「すみません…」
「そんなのいーよ?しょうがねーじゃん。」
俺の肩に、ポンと手を置いた先輩は、はっとしたように表情を変えた。
「じゃ…お前…」
「はい」
「宮下に告は」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
あまりに深刻そうな顔だから、何を言うのかと思ったら…。
って…。え?
俺、藤田先輩に何も言ってない…よね?
「藤田先輩って、何で知っ」
「無論、察した。」
ドヤ顔で言う先輩が、少しだけ怖かった。
「え、じゃどーすんの?告んないの?」
「まぁ…しょうがないからそうなりますね。」
「俺の高校に来る?」
「何でそうなるんですか。」
「え?だって…宮下いるから。」