「はい…なんですか?」
心配する安藤くんの言葉を遮って彼の名前を呼んだ。
きょとんとしている顔を見ると、息を吸って言った。
「私、安藤くんのこと…好きです。」
「ほ…んとに?」
私が頷くと、安藤くんは顔を赤くして、黙り込んだ。
2秒くらいの間のあと…少し恥ずかしそうに呟いた。
「俺も…。」
お互いの間に沈黙が流れると、安藤くんはゆっくりと言った。
「先輩。目閉じてください。」
すっと視界から彼の姿がシャットアウトされると、一瞬、唇にやわらかい感触があった。
ゆっくり瞳を開けると、安藤くんはもう耳まで真っ赤で。
「好きです。」
そう言った安藤くんに、笑いかけた。
「私もだよ。」