喜ぶ吏渡を見て、私も笑顔になった。

色々あったけど、ここまで来れて良かったなぁ…。

ほんとに、色々…。




「安藤くん…」

「あっ!こんにちはー」


校門で待ってる安藤くんにおずおずと声をかけると、彼は嬉しそうに振り向いた。


「じゃあ、行きますか?」

「うん」


〝あの日〟以来、安藤くんはこうして毎日家まで送ってくれる。

それ以外に、私と話す機会がないから…らしい。


「先輩、俺高校同じとこ受けていいですか?」

「もちろんー。楽しそうだしっ。」

「じゃああと少し待っててくださいね。」