「吏渡!!藤田先輩が来てるぞっ!」


サッカー部の皆と一生懸命練習をしてる時、友達から呼ばれた。

軽く返事を返すと、俺は先輩の方に走った。



いつの間にか俺達2年が最高学年になってから、何ヶ月かが過ぎていた。

先輩に会うのは本当に久しぶりだ。




「吏渡。久しぶりだな。」

「お久しぶりです。先輩!!」


中学校に居る間、俺の憧れだった藤田先輩は、高校の制服を身に纏っていた。

サッカーが上手くて笑顔が眩しい先輩は、よくモテる。


「1年生、たくさん入って来たか?」

「はい!!20人くらいは。」


先輩は、そうか…と言って目を細めた。



「ってゆーかさ、今更なんだけど…。お前、卒業式出てた…よな?」


ふと思い出したように先輩は言った。

俺は、すいません…と頭を下げると、風邪で欠席したことを話した。