―ずっと好きだった。

想いが通じた時、すごく嬉しかった。

彼がいてくれれば、何があっても大丈夫だと…そう思ってた。



でも、何も言ってくれなかった彼に…

私は信用もされてなかったわけで。


「もう…何で生きてるのかも分かんないよぉ…」




高校に入ってからは、彼と顔を合わせることすらなくなった。

「2人で同じ所に行こうね」って約束は、きっともう忘れてた。


それでも、ただ笑ってた。

周りに心配させたくなかったし…。


それに、そうすれば…少しは報われるのかもって。

なんとなくだけど、そんな気がした。



そんな風に長くて何も変化がない生活を、繰り返していたある日のこと。

美術部が終わって校門を出ると、見覚えのある後ろ姿があった。



「あれ?安藤くん?」

そう声をかけると、彼はばっと振り返った。


「どうしたの?」

「いや…あの…」


なんだか返事に困ってるみたいで「ちょっとからってみようかなー」と思った。