―ずっと好きだった。
想いが通じた時、すごく嬉しかった。
彼がいてくれれば、何があっても大丈夫だと…そう思ってた。
でも、何も言ってくれなかった彼に…
私は信用もされてなかったわけで。
「もう…何で生きてるのかも分かんないよぉ…」
*
高校に入ってからは、彼と顔を合わせることすらなくなった。
「2人で同じ所に行こうね」って約束は、きっともう忘れてた。
それでも、ただ笑ってた。
周りに心配させたくなかったし…。
それに、そうすれば…少しは報われるのかもって。
なんとなくだけど、そんな気がした。
そんな風に長くて何も変化がない生活を、繰り返していたある日のこと。
美術部が終わって校門を出ると、見覚えのある後ろ姿があった。
「あれ?安藤くん?」
そう声をかけると、彼はばっと振り返った。
「どうしたの?」
「いや…あの…」
なんだか返事に困ってるみたいで「ちょっとからってみようかなー」と思った。