安藤くんに出会ったのは、体育委員で集まった時のことだった。

落ちてしまったペンを拾ってあげたら、ありがとうございます!って笑った、人懐っこそうな笑顔に、おもわず顔が綻んだ。



第一印象は〝かわいい感じの子〟だった。

目じりが少し下がっていて、左目のしたにほくろがあった。

身長は私と同じくらいだったんだけど。


それでも性格はしっかりしてて、隣のクラスの藤田くんの手伝いを、よくしていた。



学校の廊下とかですれ違った時に、手を振ると、嬉しそうに振り返してくれた。



「でねー、すっごい可愛くてっ!!」

「朱莉は好きなの?そいつのこと。」


彼氏に安藤くんのことを話してた時。

そんなことを言われて、私が「そう言うのじゃないけど…」と言うと彼は、ふーん…と言った。


その時の彼の声音に…。

残念そうな気持が入ってるように聞こえたのは、気のせい…だよね?