「…私、大好きだったんだ…その人のこと…」
ぎゅうっと胸が痛くなったけど、俺は頷いた。
「私より、好きな人が出来たみたいで…。友達から聞いたんだ。『他の女の子と一緒にいるとこ見たよ』って…」
「…」
「『本当？』って聞いたら、『ごめん、別れよう』って…。」
俺はただ、地面に落ちる先輩の涙を見ていた。
「私、好かれてなかったってだけじゃなくって、信用もされてなかったんだなって…。こんな私って、もう生きてる意味もないのかなって…。」
「そんなことないです。」
「え…」
なんか、もうとりあえず言ってしまいたかった。
この想い。
「俺は、先輩のことが好きです。」
