「藤田くんに連れて来られたの?」

「はい…まぁ…」

「あの人、何がしたいのかよく分からないよねー。」


校門から少し離れた所で、先輩は俺にそう言った。

どうすればいいんだろ…。この状況。


「志望校とか決まってるの?」「なんとなくは」なんて会話をしていると、ふと先輩が言った。


「好きな子とか…いるの?」

「…んー…。先輩は、どうなんですか?」

「あっ!流したなー。」

「先輩が言ってくれたら、教えますよ。」


分かりきってることを聞きながら、笑顔を作るのが大変だった。