「桜、行くよ」 「うん」 流瑠が私の頭にポンとした。 いつの間にか、機嫌が直ってる流瑠に首を傾げながらも、 私は見慣れたその後姿を追いかける。 触れられた頭にまだ感覚が残ってるのを感じて、自然に頬が緩(ゆる)んでた。 胸が少しざわめくこの感覚が“なに”なのか、私はまだ知らない。