「いらない。……俺は……こんなカード……」

「だったら私にくれませんか」

突然聞こえたその声に、ビクッと身を竦めた。

そしてそのすぐ後に、ザリッと地面の擦れる音が聞こえる。

「……どう…して」

霧島さんがそう声を洩らし、驚愕で見開かれた彼女の瞳は、俺の後ろを真っ直ぐに見つめている。

霧島さんのその呟きに、そして聞こえたあの《声》に……俺の心臓は壊れそうな程大きく鼓動を打った。

しかしそれを無視してゴクリと息を呑むと、ゆっくりと後ろを振り返る。

するとそこには黒く長い髪を風に靡かせ、銃を手にしたまま妖艶な笑みを浮かべる……黒咲さんの姿が見えた。