「いいのか?ここではカードは重要なモノなんだろ?それを簡単に人に教えたりして」

「へぇ?ちゃんと信じてるんだ。これが現実だって」

その男の言葉に小さく息を吐くと、男を見つめる。

「こうなったら仕方がないだろ。自分の常識を押し通して死ぬのはただの馬鹿だ」

「おいおい……ズイブン冷静でドライな奴だな。お前みたいな奴がさっさと割り切って人狩り始めたりすんだぜ?」

「……時と場合によるな」

そう言って男に向かってフッと鼻で笑って見せる。

「……いや、冗談ですよね?」

アハアハと困った様に男は笑うと、窺う様に俺を見つめた。