「どうかしたの?」

一向にボタンを押そうとしない俺を、不思議そうに二人が見つめている。

「……いや。何でもない」

そう短く返し、またボタンへと指を伸ばす。

するとまた微かに、指輪が光った様な気がした。

それは俺にこのボタンを押してはならないと訴えている様なそんな気がして、何故か心臓がドクドクと鼓動を速めている事に気付く。

……押してはいけない気がする。

これを押せば、何か《良くない事》が起きる……そんな気がして仕方が無い。