「私も特に興味無い。《ハートの10》さえ手に入れば、それでいいから」

雪村はそう言ってニッコリと笑うと、《さぁどうぞ》とでも言いたげに、ゲームテーブルを手で差して見せる。

「本当にいいのか?《ハートの10》の居場所が分かるかもしれないのに?」

その俺の問いに彼女は困った様に笑うと、それから微かに俯いた。

「きっと報酬で手に入る情報って……そんなんじゃない」

何故か悲しく聞こえたその呟きに、眉を顰めて見せる。

すると雪村は小さく首を横に振って、また困った様に笑って見せた。