『【折りたたみ式ナイフ】が当たりました。おめでとうございます』

その機械のアナウンスと共に、液晶に映ったイラストがモコモコと動き出す。

そして次の瞬間、ポンと白い煙と共に、一本のナイフが姿を現した。

それは何処にでも売っている様な、赤い持ち手の折りたたみのナイフ。

「……結局ナイフか」

藤谷は少し残念そうに呟き肩を竦めると、液晶の上に置かれているナイフをそっと手にした。