ただ、ひたすらに追い求めるだけでよかった。 それが楽な道だった。レールの上を歩くように足だけを動かしていればよかったから。 いつからだろう。自分がこんなにもちっぽけな存在だったと気付いたのは。 誰もいない暗闇の中、人が擦れ違うぐらいしかないビルの間に座り込む。 顔を上げればビルの隙間から見える細い空を、ただただ黒い空を見つめるしかないのだ。