「純さん、ふざけてるんですか?」






兄さんと一緒だなんて、ボクにバレろと?






というか…………






「やっぱり、あれは兄さんだったのか…」






あのときは動揺しすぎて気づかなかったけど、保健室に入ってきた人は、確かに、






―――「ミズキいるのか?」






といっていた。






「美月くんはね、編入生なんだ」






編入?






「ここの学園は編入はほとんど受け入れないんだ。特別な事情がないかぎりは……」






純さんは一枚の写真をボクに渡す。






「どうやら彼にもなんらかの事情があるみたいだよ」






その写真に写っていたのは一人の少女の姿。






この娘は一体だれ?






見たことのない人だった。






写真の中の彼女はすごく嬉しそうにこちらを見て笑っている。






桜色の淡いワンピースに大きな帽子。






柔らかそうなセミロングの髪と可愛らしい顔。






まるでどこかのお嬢様みたいだ。