「お前、名前は?」






「……八神咲月です」






「八神…咲月……」






彼は小さくそう言った。






「…俺も兄貴探し協力してやる。時間のあるときだけどな」






「えっ?」






ボクは驚いて兄さんに似ている人をみる。






「…どうして、手伝ってくれるんですか?」






その言葉を聞くと兄さんははぁっとため息をついた。






「お前が困ってるからに決まってんだろ」






ボクが困ってるから?







この人、やっぱり兄さんににてる。






顔もなんだけど、






雰囲気とか人が困ってるとつい助けちゃうところとか、






無愛想さとか――――






全部、全部……






兄さんにそっくりだ。