「兄…さん?」






「…………」






間違いなく、ボクの兄さんだった。






「兄さんっ!一体どこにいってたの!?すごく心配したんだよ…ッ?」






涙が溢れる。






でも、兄さんが帰ってきてくれてよかった――――!!






「兄さん、早く帰りましょう!」







そういってボクは兄さんを連れていこうと、手を引っ張るが――――






その手はあっけなくはらわれた。






「兄さん……?」






兄さんをみるが、兄さんは怪訝そうな顔でボクをみる。






「お前、だれだよ?」






「えっ………?」






「なにいって……!」






「大体、俺に弟なんていないし。お前のことも知らない。」






彼が何を言っているのか理解できない。






まさか、こんなに似てるのに別人なの……?


「ご、ごめんなさい!あまりに、ボクの兄さんに似てたから……」






「…………。」






彼は無言のまま……






ボクをじっと見つめる。