「陸天野、君の番号は掲示板に記されていたよ。
しかも、上から3番目にだ。
分かるかい?
上位10人は番号とともに名前も張り出される。
つまり、俺たちは3位通過の君の名前と番号をそこで知った。」


ってこいつら、けっきょく10人分は名前と番号覚えて来たのか。

全くご苦労な事だ。


「そうか、俺は合格していたのか。
あんたらのお陰で広場に戻る手間が省けた。
礼を言うよ。
で?
俺だけ名前を知られているのも気分が悪い。
あんたらの名前は?」


たんたんと言い尋ねると、奴らは本当にそわそわしながら、気の弱い女の子が告白でもする様に、俯きかげんの小さな声でそれぞれ名乗った。


「ラマルカ。
ルーツはマザープラネットだよ。
400年くらい前の火星移民の子孫なんだ。」


マザープラネット、つまりは地球の事。

エンペラーのルーツが地球らしいからこの定刻ではしばしば使われる呼称だ。

太陽系の人間ってだけでもだいぶ親近感のわく物だが、合格が分かった今当分帰れない母星の名を聞くと感慨深い物があるな。


「俺はユハん。
出身はティカ新系第2惑星ロマだ。」