「そうなんだ。
これからよろしくね。タカちゃん」

私が笑顔で言うとタカちゃんも笑顔で

「おう」 

と返してくれた。

私はタカちゃんに手を引かれ立った。

「それにしても美春。
どうして廊下を走っていたんだ?」

「えっとね...ああ!!」

私が叫ぶとタカちゃんが驚いた。

「どうしたんだ?」

「や、やばい。忘れてた」

タカちゃんと呑気に話してる場合じゃなかった。

私は急いで鞄を拾う。

「タカちゃん、ごめん。
私急いでたんだ」

タカちゃんに謝ってすぐに校門へと走り出した。

もうあれから凄く時間がたってる。
もしかしたらもういないかも。

息があがりながらもやっと校門についた。
あたりを見回したがそこに輝の姿はなかった。
さすがに遅すぎたようだ。
私は帰ろうと思い、ゆっくりと歩き出す。