よかった...朋がいなかったらああのままつかまってた。
それで、予定に間に合わなくなって...てもうこんな時間?
やばいもういないかも。

急いで鞄を持ち教室を出る。
廊下を走り曲がり角を曲がった目の前に人がいた。
でも急にはとまれず、ぶつかってしまった。

「きゃあっ」

私の叫び声とドンという音が響いた。

「いたたた...て痛くない」

確かに私はぶつかったはずなのに。

「美春。重い」

私の下から声が聞こえてきた。

「ごっごめんなさい」

急いで私はその人の上から下りる。
 
「あっ...タカちゃん」

タカちゃんというのは昔、私をいじめてた人で兄ちゃんが懲らしめた後は、仲良くなって今では友達だ。

「よっ。久しぶり」

「なんでタカちゃんがここに?
確か私立のエスカレーター式の高校に行くはずじゃ」

そう。
タカちゃんは昔から頭がよく、スポーツもでき都内では有名な私立中学に行ったはず。

「あれ...言わなかったけ?
俺、高校はこっちに来るって。
確か美春と同じクラスだぞ。
風邪引いてたから学校には来れなかったけど」