心臓の心拍数がだんだん増えてくる。

周りは静かで風の音一つもない。


「…ねぇ、センパイ」


先に喋ったのは祐介。


「な、何?」


今祐介が言うことを聞いてもいいのだろうか。

そう考えていた。

聞いてしまえばこの関係ではなくなる。

まだ会ったばかりだけど大切な後輩には変わりない。


「あの…ね」

「…?」

「俺、ずっと見てた」


駄目、言わないで。


「ずっと…センパイのことを」


お願い、言わないで。


「知り合ったばっかりだけど俺…」


言っちゃ駄目!!


「…好きだった」