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「あれ…大輔家、反対じゃ?」

「馬鹿、送ってくに決まってんだろ?」

大輔は本当に優しい。
私大輔の気持ち…利用してるんだ。
こんなのやだよ…。

「大輔…私っあのねっ」

「いいからっ!!」

え…?

「分かってるから…
お前らみたいに付き合い長くねーけど…、
お前の事見てきたから、的場の事好きなのも…
全部…分かってかっら」

「じゃあなんで…っ?」

「好きだから…利用されてもいい」

…そんなの…おかしいよ…。

「あの時、多田美花に言った好きな人の名前が、
俺だったのもたまたまだろ?
…それでも、俺は嬉しかった」

大輔の指が風に乱れた、
私の髪を掻き分ける。

「俺を利用しろよ…すず」

「そんな事…っ」

「絶対っ!絶対に俺に惚れさせてやるからっ、
それなら利用したとは言わないだろ?」

そう言って大輔はニカッて笑った。