この声…私大好きな人の声。
振り返る…私。

「…っ」

繋いだ手が離れそうになっても、
大輔は握り返してこない。

「…すず…また明日な」

だから私も握り返さない。
大輔の優しさだって分かってるから。

「うん…また学校でね、爽」

そう言って私達は教室を出た瞬間…、

“ギュッ”

「え…?」

手を繋いでた力が強くなってる?

「わり…こーしてないと不安で…」

「ごめん大輔」

「謝んな…」

そう掠れた声で大輔が囁いた。