おぼつかない足取りで中へ進む。



綺麗に整理された部屋。



まだまだ新婚の匂いが漂っている。



「あっ……ごめんね、急に来たりして。」



「何言ってんのよ!」



晶子はキッチンで紅茶を入れながらニッコリ笑ってそう答えた。



「あっ……睦月ちゃんは?」


「今、昼寝してる。」



そう言って和室の方を指差す。


「そっか。」



紅茶を運んで来た晶子がある事に気付いた。



「その大荷物は?」



「えっ……あっうん、ちょっとね。」



戸惑いを見せる私を見て晶子の鋭い勘が働いた。



「仁さんとなんかあった?」


「えっ……。」



「突然来るなんて変だし。」



複雑な心境に黙り込む。



「……報告があって来た。」


晶子は私の顔を覗き込む。


「ん?……それは、いい報告?……悪い、報告?」



「……どっちかな。」



「何?ちゃんと言ってよ。」


「……。」



話す事さえままならない。


なんとか重い口を開いた。