高級車の後部座席に龍が乗り込むと続いて宮沢も乗りこみ、スーツの男性が扉を閉めた


「お母君との約束はいいのですか?」

そう聞いてきた宮沢に龍は微笑んだ

「とにかく、一般に恐れられる誘拐で高級車は目立って有り得ませんし、今は付いていくのが一番だと思ったんです」


その答えを聞いて宮沢は満足したように頷く


「素晴らしいお考えですね、まだ10歳の子供とは思えませんよ。」


この考え方の何処が素晴らしいのか、と龍は不思議に思う

どれも当たり前だろう