先パイは、あたしに覆いかぶさるようにして抱きしめた。

そのおかげで、あたしは誰にも触られることはなかった。

でもそのせいで、先パイの体はボロボロに...。

「お前どけよ!」

「俺はどうなったっていい。
でも...姫佳だけは...
姫佳にだけは...手だすんじゃねぇ!」

先パイ...。

どうして、そこまで...

「ヒロ!やめな。」

島田先輩がそう言うと、その男は先パイを殴るのをやめた。

「ねぇ、どうして?何でこの女なの?
こんな女のどこがいいのよ?」

「姫佳は俺にとって大切な女だ。
理由?そんなのねぇよ。
ただ、姫佳じゃなきゃダメだってだけだ。」

先パイは言い切っていた。

嘘...。

そんな風に想っててくれてたんだ。