俺は、つい感情的になってしまった。

「今のあんたには、後悔しかないだろ。
あの時、あの女とキスしたことへの。
それでよく分かっただろ?
”あとから後悔しても遅いんだ”って。
今のままじゃ、絶対後悔する。」

「・・・。」

あいつは、何も言わなくなった。

「本当に欲しいものは、死に物狂いで掴みに行くんだ。
どんなにカッコ悪くたって、どんなに情けなくたって。
必死になって食らいつかなきゃ、絶対に掴めないんだよ。」

「・・・。」

「それだけは、忘れるな。
じゃぁ、俺はこれで。
あとは、あんたが決めることだ。」

俺は、そう言って、そこから離れた。