「そうですけど。何か?」
沢口麻綾は、あたしのことを上から下まで見るなり、鼻で笑った。
「フフ。楽勝ね。」
そう言って小さく笑った。
「私のこと知ってるかしら?
陽太君と同じクラスなんだけど。」
「えぇ、知ってますよ。有名ですから。
”いろんな男をモテあましてる”って。」
あたしは、嫌味たっぷりに言った。
「ずいぶんとモノを言うのね。」
「お互い様です。」
「面白いわね、アナタ。」
何よ、この女!
「で、あたしに何の用でしょう?」
「アナタの彼氏・陽太君は私がいただくわ。」
はぁ?!?!?!?!
いきなり何言ってんの??
ありえないし!!