*柊哉side*
‐中学の頃。
俺の学年には、あるいじめグループがあった。
誰もが恐れるグループ。
そのグループのリーダー・谷川に逆らえる奴は、誰1人としていなかった。
でも、俺の親友・タカトは谷川に逆らった。
その次の日から、タカトに対するいじめが始まった。
クラスの奴らは谷川を恐れ、誰も止めようとしない。
いじめを止めるということは、谷川に逆らうのと同じことだから。
もしそんなことをすれば、次は自分が狙われる。
それをわかっているから、誰も止めない。
自分が標的にされることを恐れ、自分を守るために、誰もが見てみぬフリをした。
でも俺は、タカトを、親友を見捨てられるはずがなかった。