『わぁーん!うっ、うっ。』

しばらくあたしは泣いて泣き続けた。


『話せる？』

『うん。もう大丈夫。』
とは言ったものの碧のことを思うともう既に泣きそうだ。


『相手が深華だから。何も言えなかった。あたしが深華に勝てることなんてクラリネットだけだったのに。今は、もう…。』


『でもやっぱり碧が好きなの。彼女がいても。あたしは碧が幸せならそれでいい。好きだから。本気で好きだから諦めるの。』

『ごめん。そんなのうそ。諦められる訳ない。深華よりも好きだよ。碧のこと。碧…。』


あたしの頬をまた涙がつたった。