鈴たちがきてから1ヶ月後―

あたしは碧の答えに何を期待してたんだろ?

「いない」って言われることかな?

そんな答えが返ってくる確証なんてどこを探しても無かったのに。


『碧ってさぁ、彼女いるの?』
ドキドキをなんとか抑えて平然を装って聞いた。

『いるけど、それがどうかした?』
と碧。

『…そっか。そうなんだ。』
碧の答えがショックすぎて呆然とするあたし。

そんなあたしの顔を覗き込んで、
『なんだよ。いきなり?』と呟いた。

『誰っ?』出来るだけ元気に聞いた。

『なんでお前に言わなきゃいけないんだよ。』
と少し怒り気味で言った。

『えぇ~!教えてよぉ!』

と言うと

碧は『細川深華。』とあたしの聞き慣れた名前を口にした。