『でね。もう1つ話さなきゃいけないことがあるの…』

鈴はあたしの声の真剣さに椅子に座り直し、真っ直ぐあたしを見つめた。

そしてあたしは脳の病気で治療法がまだ見つかっていないということや、記憶が無くなっていくこと、そして

もう長くは生きられないこと
を話した。

話し終えると鈴は泣いていた。

『なんで鈴が泣くのよぉ?』

『碧くんのコトはどうすんの?あたしは?莉桜がいなくなったらあたし…』

涙が溢れ、椅子の上で丸まった鈴。

あたしもなんだか泣けてきた。

今まで溜まっていたものを全て流してしまったかもしれないと思うくらい、あたしたちは泣いた。