夫人が「こんなに愛しているのに、それはわたくしだけなの?」と、若干しおれる。

年は少しだけ年上だろうか、若さも兼ね備えた美しさだ。

「貴方様は、わたくしを愛してくださってますの?」

「いいえ?」

うわ…修羅場?

「Sにもほどがあるわ!」

「…Sじゃなくて本心です」

「なら貴方様はわたくしをなんだと思っていますの!」

「結婚という重い足枷で僕の自由を奪うただの…」

「もう結構ですわ!!」

カツカツカツバンッ!と、ド派手な音で嵐のように去っていくアンジェリカ夫人。

少し同情しちゃうかも…。

クロにあんなこと言われたら傷つくよ。

っていうか今のクロ?

「おー、相変わらずだなー」