「俺はセルをインフィニートゥムに連れて行きたくないから、
テラ・ファミリアに拾われるよう仕向けたのに、これじゃ意味ないな」
「意味あるよ。だってテラ・ファミリアのみんなに会えたもん」
クロは口をもぐもぐさせながらこちらを向いて微笑んだ。
「でもテラのみんなに会わなかったら、テラ・ファミリアの楽しさは知らなかったわけだから、
それはそれで幸せだったかもよ」
「でも、絶対知ったほうが良かった」
私の即答ぶりにクロがまた微笑んで、
コップに注がれた烏龍茶を飲み干した。
「セルのそういうとこ好きだよ」
こっちが赤面するようなことを言うだけ言って、クロはお代わりを取りに行ってしまった。