元帥がクロの胸ぐらをつかんでいた手を粗雑に離したかと思えば、
荒っぽくクロの胸元をまさぐる。
はだけたクロの軍服からは、胸板の一部の健康的な肌が覗き、それでも元帥はがさつな手を止めることはしなかった。
何かを探しているように見える。
クロは、なすがまま、されるがままといった状態で、まさに直立不動だった。
「何をお探しで?」
クロがそう言ったとき、軍服の内ポケットから紙が落ちた。
ひらひらとテーブルに舞い降りたそれを見て、クロの形相は一変した。
紙に伸びる元帥の手よりも先に
バンッとテーブルの上に手をつき、
紙を押さえつけた。
そんなことをされたら、元帥も黙ってはいない。