私の重量分、乗せる配達物を減らさなければならないからだ。
「バル兄ちゃん!パパにお願いして!」
「お願いします」
「な、何がだ!」
「知らないよ、ステルラがお願いしてって言ったんだもん」
「私空飛びたいの!」
「だからそれはお前がもっと大きくなったらだって言っただろ?」
「大きくなったもん!もう3さいだもん!」
…そうだ。そうだった。
"バル兄ちゃん"という人が"コバルト"って人で、私が空に連れてけと駄々をこねて、最終的には受け入れてもらえず、べそをかいた私といつも遊んでくれていた。
なんで忘れていたんだろう…。
微かに記憶の残る3歳。
「じゃあ、飛ぶ?」