クロが短絡的な発言をした。
言葉が短絡すぎて、落丁しすぎて、内容が全く把握できなかった。
「俺がお前をテラ・ドムスまで迎えに行くこと自体が罰則」
「え、それだけ…?」
怪我人は事情をのみこめない様子で、目を見開き、ぼんやりとしていた。
「端から見たらそれだけでも、俺にとっては重大なんだ。
俺がどれだけテラ・ドムスに行きたくないかをモルガナは知っていたんだ」
実際クロは今現在テラ・ドムスにいるにもかかわらず、
堂々と淡々と悠然と間違いなく"行きたくない"と、言った。
「なんで…行きたくないの?」
私は恐る恐る訊ねるが、その答えはなんとなく…いや、確実に分かっていた。