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目が見開いて戻らない。

口が開いて閉まらない。

声が出なくて話せない。

息が詰まってできない。

胸が波を打ち止まない。




…私が目に映しているのは、何だろうか。



難なく気にもとめず開けたドアの先にいた、この場には見慣れない異質な彼。

彼もまた、横目で私を視界にとらえて喫驚した様子を見せた。

突然の予想外の出来事に、一瞬だけ驚いて。


彼はその出来事や状況や立場を理解すると、きょとんとしていた目も優しく横にのびる。

薄く綺麗な唇の横の口角も微かにあがる。

整った端正な眉は徐々に下がる。



……微妙な表情。