青年は下唇を噛みしめ、目をうるうるさせて俯いていた。

「…うっせ、馬鹿ドラコ」

「じゃあ、これからなんて呼ぼうね?」

キュクヌスは白いからシロとか(笑)?

「だから怪我人でいいだろ」

クリュさんの言葉に、頭の中のシロという文字が、ぼわんと消えた。

「いっそのこと毛蟹にしたら?」

ステルラが「ん」を略した。

「え!?毛蟹!!?"ん"は大事だよ!?
"ん"があるかないかで人か甲殻類かが変わるからね!」

青年が焦る。楽しかった。

「じゃああだ名は怪我人。略して毛蟹。怪我が治ったら強制的に毛蟹で」

最終的にクルシオさんが締め、
青年…じゃなくて怪我人はブーブー言いながらも笑っていた。