ステルラが体をテーブルに乗り上げて食い付く。
「血の繋がりはないがな、大切な息子だった。
ステルラと沢山遊んでくれて、妹みたいに可愛がってたぞ」
「とられたって、なんで?」
青年も興味津々だ。
「ファタ・モルガナがあいつの実の父親だったんだよ」
空気が凍りついた。
いつも賑やかな朝食時。
でも今のダイニングには、ピアノ線のようにかたく張り詰めた空気が漂っていた。
「元帥に…息子がいたのか…」
青年は初耳だと言って、スープをすくう。
利き手じゃないためか、スプーンの使い方がぎこちない。
その後も沈黙が続き、青年がスープをすする音だけがやけに耳についた。