「ドラコは俺の戦友の人生を消し去りたいの?」

「お前の戦友なんて知らねぇよ。事実がどうかって話だ」

「もしそうだとしても、元帥には隠し通さなければならない」

ゲンスイ……

そんな単語を聞いたとき、今私の目の前でパンにジャムを一生懸命のせている青年が軍人なんだな、と思い知らされる。

「ファタ・モルガナか」

黙々と朝食をとっていたクルシオさんが、口を開く。

目付きが…いつもより攻撃的。

「パクスさん、元帥となんかあったんですかい?」

怪我人が聞くと、クルシオさんは、パクスはテラの母船だがな、と笑い淡々と話した。

「昔、息子をとられた」

「え!?隠し子っ!!?」